小学校1年か2年生の頃、『少年探偵団』『ルパンの大冒険』等を読み始めると
挿絵のページで見入ってしまい、もう次の挿絵が待ち遠しくてたまらず、ついには読まずに
絵ばかり見ているという具合なのでした。いま私が挿絵を描く時とても大切にしていることは
その物語のもつ感じ、「不思議」な感じ、「北京の下町」の感じ、「幕末、江戸」の感じ、「ナチス占領下」の感じ、
「特攻隊」の感じ、その「感じ」というものを描かなければならないという思いです。
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狐は死ぬとき笑うという。
川のそばで息絶えていた狐を
きちんと弔うには、
どうすればいいのだろう。
Papyrus Vol.3(幻冬舎) 2005
(い)Saotome Michiharu WORKS / 文藝挿絵 literature with いしいしんじ 「小包」
(ろ)Saotome Michiharu WORKS / 文藝挿絵 literature with いしいしんじ 「狐と消しゴム」
この15年間、僕の中国旅行の最高のナビゲーターとして、波乱に富んだ歴史、多様な文化に眼を見開かす体験を数知れずもたらしてくれた李長鎖と一緒に、北京のワンダーランド、胡同を探訪する三輪車の旅に出た。それはマジック・カーペットに乗ったタイムトリップだった。
全日空機内誌「翼の王国」NO.413 (2003)
権介は浮浪人として、江戸・浅草で自由な生活を送っていた。抜きんでた膂力とある種の風格を身につけ、あの新門辰五郎親分でさえ、その気まま
な振る舞いに目をつぶるほどである。同じく浮浪人の身であったが、今は新門親分の手下となった十郎も、己の才覚のみで生きている権介には憧れと尊敬の念を抱いている。江戸末期、
「ええじゃないか」と呼ばれるお陰参りがあちこちで巻き起こりつつあった、、、。
小説宝石(光文社) 2001-2009
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「私の庭」挿絵制作秘話
(い) Pen and Ink in YUKAKU (遊郭にて) 花村萬月「私の庭」挿絵別テイク集Vol.1
(ろ) Pen and Ink in ASAKUSA (浅草にて) 花村萬月「私の庭」挿絵別テイク集Vol.2
第二次大戦前夜。スペインからパリに帰還したイヴォン・デュ・ラブナンは、作家の
ジャン・ポール・ルクレールとその恋人エルミーヌ・シスモンディと知り合う。また、女子大学生リュシエンヌ・ドレクと出会い、恋心を抱く。一方で、ジョルジョ・ルノワール率いる秘密結社<無頭女>の儀式に参加し、奇妙な現象に遭遇した。儀式の直後、リュシエンヌが行方をくらます。イヴォンは彼女を探す旅に出るが、見つからないまま四年が過ぎ、ドイツ占領下のパリに戻る。
別冊文藝春秋(文藝春秋) 2008-2010
昭和二十年五月、須崎少尉は鹿児島・知覧基地の整備工場で、故障機の修理を
担当していた。整備兵の数が圧倒的に足りない中、徹夜続きで機体の修復作業に
没頭する毎日。しかし、日を追う毎に飛べない飛行機が掩体壕や駐機場に留まり、
それに比例して整備隊員にも疲労が蓄積していく。そんな折、一台の特攻機が出撃
後に機体故障で基地に戻ってくる、、、。
野生時代(角川書店) 2010
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